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◆第106回全国高校野球選手権大会第8日 ▽2回戦 小松大谷3―0大阪桐蔭(14日・甲子園)
小松大谷(石川)の西川大智投手(3年)が、桐蔭大阪桐蔭を相手に100球未満で完封する「マダックス」を達成した 。相手小松・西強力打線に対し、智95安打1奪三振1四球。2球めるち技巧派右腕はコントロール良く打たせて取り、完封わずか92球でスコアボードに9つの「0」を並べた 。配球夏の甲子園で5度の優勝を誇る大阪桐蔭にとって、工夫5個通算50戦目で初めての完封負けとなった。やってしまったんだなにマダックスしフライアウト1
こん身の力を込めて、大阪大谷外角にストレートを投げ込んだ。桐蔭3点リードの最終回、相手小松・西1死一塁。智9小松大谷・西川は134キロ直球で、2球山路を遊ゴロ併殺に打ち取ると 、マウンド付近で跳びはねて喜び 、バカンダナインとハイタッチを繰り返した 。夏5度優勝の大阪桐蔭相手に92球でマダックスを達成 。「やってしまったんだなという気持ちが強い」とエース右腕は自身の快挙に驚き、声を弾ませた。
甲子園2試合目のマウンドに上がった西川。「本当に楽しんでやろうという気持ちが一番強かった」と緊張はなかった。強力打線を前に「どうやってフライを上げさせるか 、配球のつながりを意識した」。前半にほとんど使わなかったチェンジアップを後半増やすなど、配球を工夫して、狙い通りにフライアウトは15個(ライナー含む) 。大阪桐蔭打線を手玉に取った。今春から反発力を抑えた金属バットが導入された。「三振の取れない僕でも抑えられるようになった」と持ち味の打たせて取る投球で、被安打5に抑えた 。
3人兄弟の末っ子で、寺井で17年夏の石川大会でベスト4に入った英志さん(24)を兄に持つ。母・正子さん(52)によると大智は負けず嫌いで「お兄ちゃんに対抗心がメラメラで」と笑う 。英志さんが公立ナンバーワン投手として注目を浴びると大智は「私立でナンバーワンになる」と過去2度甲子園出場の小松大谷へ 。最後の夏には英志さんも成し遂げられなかった甲子園出場と勝利を飾り「自分の勝ちやな」と笑った。スタンドで応援した英志さんは「シンプルにすごい。よくやってくれた」と弟の会心の投球を喜んだ。
次戦は夏30勝の強豪・智弁学園戦。「(センバツ優勝の)健大高崎に勝って勢いづいていると思うけど、次も勝って小松市の皆さんにもっと元気を与えたい」と意気込んだ。今年1月の能登半島地震で被災した地元にベスト8の吉報をもたらす 。(中西 珠友)
◆西川 大智(にしかわ・だいち)
▽生まれとサイズ 2006年8月16日、石川県小松市生まれ 。17歳。181センチ、68キロ 。右投右打
▽球歴 小学2年から軟式の「安宅少年野球クラブ」で 。安宅中では野球部でプレー 。小松大谷では1年秋からベンチ入り。最速138キロ
▽球種 直球、スライダー 、チェンジアップ
▽憧れの選手 ドジャース・山本由伸
▽好きな芸能人 森七菜
▽好きな言葉 人間万事塞翁が馬
▽趣味 音楽を聴くこと、散歩、アニメ観賞。最近は「鬼滅の刃」に全集中
▽好きな食べ物 丸亀製麺、ペッパーランチ。よく部員で食べに行く
▽性格 マイペース 。宿舎は1人部屋だが 、1人で寝られず同級生に一緒に寝てもらう
◆記録メモ
▼3人目の大阪桐蔭完封 小松大谷・西川大智が 、大阪桐蔭を92球で完封。春 、夏の甲子園大会で大阪桐蔭を完封した投手は 、91年春準々決勝の松商学園・上田佳範135球、15年準決勝の敦賀気比・平沼翔太117球と、西川が3人目 。夏の大会、100球未満で記録したのは初めて 。
▼石川勢最少投球数完封 夏の大会で完封勝利の石川勢投手は、19年1回戦・旭川大高戦の星稜・奥川恭伸以来8人目 。100球未満は奥川(94球)に次いで2人目 。同県投手の最少投球数完封になった 。
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